「行く・来る」とベトナム人日本語学習者の誤用

"""このように、「行く・来る」とその二動詞に関する誤用調査について述べた。まず、「行く」の基本義は、ある事物が話し手側ないしはその現在位置から遠ざかっていく移動動作である。逆に、話し手側へと近づく移動動作は「来る」である。その基本義から、多義化され、「行く・来る」には多様な意味、用法がある。「行く・来る」の用法は、その移動の目的地点と、それに対する話し手の立場(または、話手の視点)とからなされる。そして、「行く・来る」の文法的な面では、空間的、地理的な移動の「行く・来る」と、意味が抽象化された「行く・来る」についても前に詳しくまとめられる。また、 日本語を学んで...

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Main Author: Trần, Tuyết Nhung
Other Authors: Đỗ, Hoàng Ngân
Format: Final Year Project
Language:Japanese
Published: 2020
Subjects:
Online Access:http://repository.vnu.edu.vn/handle/VNU_123/99018
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Institution: Vietnam National University, Hanoi
Language: Japanese
Description
Summary:"""このように、「行く・来る」とその二動詞に関する誤用調査について述べた。まず、「行く」の基本義は、ある事物が話し手側ないしはその現在位置から遠ざかっていく移動動作である。逆に、話し手側へと近づく移動動作は「来る」である。その基本義から、多義化され、「行く・来る」には多様な意味、用法がある。「行く・来る」の用法は、その移動の目的地点と、それに対する話し手の立場(または、話手の視点)とからなされる。そして、「行く・来る」の文法的な面では、空間的、地理的な移動の「行く・来る」と、意味が抽象化された「行く・来る」についても前に詳しくまとめられる。また、 日本語を学んでいるベトナム人学習者 208 名を対象にアンケート・テスト形式 調査を行った。その調査結果から 、「行く・来る」の活用形に関しては、易しいと思う 人が少なくないが、意外に誤用がよく起こっている。「行く」は五段動詞であり、「来る」はカ変動詞であるが、一段動詞のように形を変えて、間違えた人が少なくない。 そ して、「行く・来る」の関連する助詞については、一番難しいと意識されている。 調査 結果から見ると、到達する状態や程度を表す「まで」格、移動の通過点を表す「を」格、原因・由来を表す「から」格、抽象化された主体を表す「が」格などの誤用率と答えない割合が高かった。誤用の傾向については、「に」格や「へ」格が選ばれやういことが分かった。また、調査結果の全体的に見ると、「用法」の誤答率と答えない割合が一番高いことが分かった。誤用がよく起こるのは「行く」が「来る」に転換する場合である。特に、「聞き手側に属する地点への話し手・他者の移動」の場合、「聞き手の現在位置への移動」の場合には、誤答率と答えない割合が非常に高いことが分かった。最後に、第三章では、調査対象者が使用している日本語テキストの分析を行った。それから、分析した調査結果とテキストの内容に、 筆者の知識や経験から得られた 情報に 付け加え、ベトナム人学習者の誤用の原因を発見し、記述した。ここでは、辞書における問題点、テキストにおける問題点と母語からの影響の3点に注目し、その誤用の原因に対する指導対策について考え、述べてある。さらに、学習者に学習内容を覚える時間 を長くするために、4つの提案を述べた。 ○1いろいろなドリル練習を使って、練習回数を増やすことによって、長期的記憶に転換することができる。 ○2 教師はそれぞれの学習"""